商標?
オートデスク・カレッジ2005が無事に終わった。今回はちょいと事件があったので、それをしっかりと書いておこうと思う。
「ドラフター」は武藤工業(株)の登録商標です。
最初に断っておこう。これが今回のカレッジの事件の騒動のひとつであった。
カレッジのプログラムには講演者・演題と講演要旨が書かれていた。その講演要旨のところに
電子ドラフタ(製図CAD)の枠を越えて、設計ツールとしての・・・・
この「電子ドラフタ」が「ドラフター」を一般名称的に使用しているという指摘であった。そして、「ドラフター」の後に(登録商標)の表示を入れるか、「ドラフティングマシン」に変更しろって言ってきた。当然だけど、商標いれたら変な文章になるし、ドラフティングマシンってのは機械装置的である。文章のなかの「ドラフタ」だけを切り取ればそういう指摘はあるかもしれないが、その部分は「電子ドラフタ(製図CAD)」って書いてあるだろうと言いたい。また、武藤工業は自分のドラフターの宣伝文句に“設計製図機械の代名詞ともなっている「ドラフター」を・・・”と書いている。なんか、むちゃくちゃ言ってないか?
その理由は、登録商標が一般呼称化すると抹消されるために、そうならない努力をしているという事らしい。しかし、「電子ドラフタ」って言葉はWeb探すと何カ所かで見つかるし、ほとんどCADの世界の話である。
私がもっとも腹をたてるのは、クレーム付ける相手、あるいは相手のグループっていうのは、そもそもほとんどがドラフターのユーザ、オーナーなのである。そういう相手に、こういうクレームつけるなんて、なんか企業としての姿勢が間違ってないかと思うよ。AUG-JPは何か利益を上げるための団体でも無いし、こんかいのカレッジのプログラムで利益を得るわけじゃないんだ。商品とかに使われている例をを見つけて、そっちに指摘をしてやって欲しいものだ。なんで我々のところだけを狙ったピンポイントな指摘をしてくるんだ。やるなら、他も同時につぶしていってもらいたいものだ。
結局は、Webに掲示されている問題箇所を「製図CAD」に置きかえることで決着をつけた。ドラフターに関する話じゃないし、ドラフターを示しているわけじゃないんだから、登録商標であることを表示すればおかしな事になる。それに特定企業だけを、そういう扱いにするわけにもいかない。
私はこの件に、取引先の武藤工業の営業をとおして、最初の指摘(メールで来た)を取り消すように要望したのだけど、カレッジには間に合わなかった。直前にWeb担当に送られてきたのが、先ほどの「一般呼称化すると取り消される」って説明であった。
だけどね、世の中にはもっと一般的につかわれちゃって、それでも商標となっている例はいくらでもあるんだ。たとえば「キャタピラー」とかね。これは米国キャタピラー社 (Caterpillar Inc.) の登録商標なんだ。いまでもちゃんと登録されている。どういう風に使われているかはググッてみればわかるだろう。「宅急便」これもヤマト運輸の商標である。でも、当たり前のように使われている。つまり、取り消されるなんてのは、自分の都合の良い理由付けであって、こっちの事など考えたことじゃないんだ。ユーザだろうがなんだろうが、噛みつければ、あとはどうでも良いのだろう。
ってことで、私はAutodeskとのサブスクリプション契約の代理店として武藤工業と取引してきたけど、こんな冷たい、ユーザをユーザとも思わないような会社を通して契約することも嫌になった。そもそも、なんでAUG-JPサイトのその部分を指摘するのかって話もあるんだけど、そんな事はどうでもいい。ようは、AUG-JPが、武藤工業のお客である私を含めた他の人たちが、そういう扱いを受けたという事実だけなんだ。商標が取り消されようが、なんだろうが、それはこっちの都合じゃない。こっちが出来ることは、あとはお客じゃ無くなることだけなんだ。
こういう事をブログに書く私は、じつは以外とセコイかもしれない。(笑)それに、おまえは「商標」って意味がわかってないって言われるかも知れない。私も商売をしているから、「商標」はいかに大切な物で、それを他人が侵害してはならないことは理解している。でもね、今回のことは、そういう事とは違うと思うんだ。
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